(公社)日本鍼灸師会 メールマガジンNo.280 2025年11月26日(水)発行より転載
コラム:胃の気の話の続き 体の中心を守る季節の養生
季節が安定しないこの時期は、身体が気温の上下に振り回されやすく、真っ先に影響を受けるのが「胃の気」です。
前回触れたように、胃の気は身体の中心を養い、気血の源として全身にエネルギーを巡らせる大黒柱。
ここが揺らぐと、だるさ・食欲のムラ・疲れの抜けにくさなどが表れやすくなります。
臨床では、胃経の流れを丁寧に整えることで、体の芯から温まり、呼吸や気持ちまでスッと楽になる方も少なくありません。
“胃の気が立つ”とは、まさに生命力がまっすぐ立ち上がる感覚に近いものです。
自宅でできる簡単な養生としては、
・みぞおち〜お臍周りを軽く温める
・朝に白湯を一杯飲む
・噛む回数を少し増やす
といった小さな習慣でも胃の気は随分守られます。
忙しさが増す冬の入り口こそ、自分の中心を整えて過ごしたい時期です。